大分市丹生小原出土の備前焼取付須恵器(壺)の中にあったものである。丹生地方はキリシタンが栄えたところで、そのことを裏付ける資料が多い。遺物の中でルネッサンス風の美しく出来上がった「聖母子」の木彫は特に目立つ。スペインまたはイタリア製のものと思われる。縦9㎝、横6.5㎝の板の中央をくりぬき、縦5.5㎝、横3㎝の木彫の聖母子のレリーフ像をその中にはりつけたもの、その他ゴシック風黒檀のキリスト像、ご聖体の組のメダル・ロザリオの玉・小十字架などがある。元和8年(1622)頃埋められたもので迫害時のキリシタンたちの信仰生活を物語る。
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