小田家文書は、対馬の与(よ)良(ら)郡(ぐん)大山(おおやま)(対馬市美津島町大山)の小田家に伝来した中世文書48通である。文書は、鎌倉時代3通・南北朝時代9通・室町時代16通・戦国時代16通・安土桃山時代4通からなる。少弐氏や対馬島主宗氏からの文書がほとんどである。紛失を防ぎ後世に伝えるため巻物に仕立てられ、外題(げだい)には「大山村 小田家御旧判(ごきゅうはん)壱巻(いっかん)」と書かれている。
対馬の地理的・歴史的な状況を反映して、網による漁業、塩屋での製塩など対馬の海民の様相を伝えるとともに、高麗王朝と九州との交易関係などを示すものとしても学術的価値が高い。
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