キタタキは、現在、韓国京畿道の一部に少数が生息しているにすぎない。日本では、大正9(1920)年対馬全島にわたって、キタタキ生息調査が行われ、御嶽で雌雄一対が採集された。これに基づき大正12(1923)年御嶽(みたけ)がキタタキの生息地として、国の天然記念物に指定された。昭和37(1962)年の調査では、その生息を確かめることが出来なかった。以来、対馬では生息が確認されていない。上対馬町歴史民俗資料室に保管されているはく製(雄)は、明治35(1902)年厳原の平田駒太郎氏が御嶽で採集したものである。これは、かつて御嶽にキタタキが生息していたことを示す唯一の標本で、学術的に極めて重要である。
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