対馬の東海岸、美津島町雞知浦を望む標高70m前後の丘陵先端に立地し、墳丘が南北7.5m、東西8m、高さ2.86mの規模をもち、3~4段の石列で段状に築かれた方墳である。
内部主体は、南東方向に開口する長方形の横穴式石室で、天井石の先端から奥壁までの長さは、全長3.4m、幅0.8m、高さ約1.3mで、使用している石材は石英斑岩である。遺物は、古墳石室の排土から須恵器片、鉄刀片が採集されている。
島南部にある国史跡矢立山古墳群1号墳・2号墳(7世紀中頃から後半)と同様に段築された方墳であり、矢立山古墳群よりさかのぼる7世紀前半に位置づけられ、中央の影響を直接的に受けた畿内系の方墳として、学術的な価値が高い。
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