白嶽は石英斑岩の山で、海抜519mに達する。頂上直下の傾斜地には、アカガシ・モミ・ヒメコマツ・イスノキ・スダジイなどからなる樹林が発達している。林内にはミヤマシキミが多い。山頂の石英斑岩の露出地には、大陸系のイワシデ・チョウセンヤマツツジ・ゲンカイツツジ・チョウセンノギクが生育する。モミ・ヒメコマツ・ミヤマシキミ・カクレミノ・ナガバノコウヤボウキは、ここを分布の西限地とする日本要素である。このように日本・大陸系両要素の植物が数多く共存するところは、日本では白嶽が第一であり、植物地理学上、貴重な場所である。また白嶽山頂付近は、対馬の固有種、シマトウヒレンの唯一の産地でもある。
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