清水山南麓の宗家の菩提寺である天台宗万松院(ばんしょういん)を中心に、山腹の宗家歴代の墓地を含む広大な墓所である。
万松院は初代藩主義智(よしとし)(宗家第19代)を弔って、元和元(1615)年にその法号をとって創建された。墓地は、桃山様式を残す山門のわきから、百雁木とよばれる132段の自然石の大石段を登った所にある。樹齢数百年の大スギが茂り、上段(上(かみ)御霊屋(おたまや))には義智以来の14人の藩主とその正室ら、中段(中(なか)御霊屋(おたまや))には積極的な朝鮮外交で有名な室町期の貞国、側室と童子、下段(下(しも)御霊屋(おたまや))には一族及び分家(初代)などが眠る。対馬藩は十万石の格式であったが、壮大な墓地は数十万石の大藩なみといわれている。
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