この社叢は、対馬の上島と下島に囲まれた浅茅(あそう)湾奥の波静かな入江に面して位置する。主木は、スダジイ・ウラジロガシの照葉樹のほか、アズキナシ・ケヤキ・ハリギリ・イロハモミジなどの落葉樹を若干まじえる。林下にはコバノカナワラビ・テイカカズラ・ビナンカズラ・ベニシダが繁茂する。林縁にはヤマボウシ・ハナイカダ・ウリノキが生え、大陸系のオオチョウジガマズミやケイリンギボウシも見出される。社叢は全体として、対馬中部の低海抜丘陵地における照葉樹林の原型をよく残しているばかりでなく、高地性の落葉樹や大陸系植物をも生じていて貴重である。