アコウはクワ科の常緑高木で、中国南部から台湾・南西諸島を歴て、九州・四国・本州の暖地に分布する。県内では島原半島・長崎半島・西彼杵半島の沿海暖地、五島各地、平戸島から北松浦郡の鷹島、壱岐に大木をみる。その中でも、五島市樫の浦のアコウは上位に入る巨樹である。根まわり15mを越え、樹高10m以上、東西南北へそれぞれ14、19、12、16mも枝を張る。枝はさらに分岐して錯綜し、その枝からは大小の気根が下垂する。長大なものは地面に達して支柱根となり、四方へひろがる枝を支えている。根元には水神を祀ってある。このアコウは長崎県最大の巨樹であるだけでなく、九州でも第一級の部類に入る。
大きな地図で見る