この行事は旧暦9月29日、言代(ことしろ)主(ぬし)神社の秋祭にムラマワリと呼ばれる一行によって行われる。行列は猿田彦を先頭に獅子役、幟持ち、御幣持ち、神主、巫子、女形噺子、稲かけ、かけ魚持ち、くわ(鍬を持つ役)、きね(杵を担ぐ役)、サンドーラ(棧俵をかぶる役)で構成され、道順に従い郷内を一巡する。ときおり笛・太鼓にあわせて道神楽が舞われ、農作業や杵を搗く所作をする。またサンドーラが道中、見物人を追いかけ、あるいは道端の家々の戸障子めがけて砂を打ちつける。これは災厄を払い、疫病退散のためだと伝えられている。このように、農作業の一部が模擬的に演ぜられるとともに、郷内の人々の疫病退散の意がこめられるなど、各種の習俗が混合しており、古風な民俗の一面を伝えている。
また、昭和54(1979)年12月7日に下五島大宝郷の砂打ちとして、記録作成等の措置を構ずべき無形民俗文化財に国により選択されている。
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