曽根火山は、番岳(標高443m)と小番岳(標高320m)との間の鞍部に噴出した玄武岩質の噴石丘であり、火山地形でいう臼状火山(ホマーテ)に属し、火口は北西に開いている。最高点は海抜143mであり、噴出時には直径およそ1㎞の基底面をもっていたものと推定されるが、南側は海食により著しく削られて「赤ダキ断崖」となり、よく成層した火山砕屑物の見事な断面をあらわしている。火山砕屑物は、上下2層に識別される。下部層は、玄武岩の岩片や黒色の岩滓を含む黄~黄灰色の凝灰岩で、よく固結している。上部層は、地表にも広く分布する赤色の岩滓層で、多量の火山弾を含み、固結度は下部層に比べ低い。成層面は、断崖に向かって右手(東側)は東へ約15°傾斜し、左手(西側)は西へ10~20°傾斜する。中央部の水平に見える部分は手前へ20°傾いている。五島列島の形成を語るうえで重要な火山噴出口が残っており価値がある。
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