五島列島にはヤブツバキの自生が多く、その中心は久賀島である。かつて五島のツバキ油は二度ほど産額日本一を記録したことがあるが、時代の変遷とともに安い食用油の原料の輸入がはじまり、ツバキ油の需要の減少にともなって、五島ではツバキを切って、そのあとにヒノキの植林がはじまった。指定地は、島の東側の海岸約1ha である。ここには、ハマビワ・タイミンタチバナ・ヤマビワ・コショウノキなどがあり、その間にヤブツバキが多い。しかし、大木は少なくおおむね幹まわり30㎝~50㎝程度のものが多い。大木が少ないのは表土が浅く、砂れきが多い地質のためでもあろう。指定地は久賀島の代表的なツバキ林自生地で価値が高い。
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