井戸枠を六角形に板石で囲み、井戸の中も水面下まで六角形の井壁が板石でつくられ、六角柱を地中にたてたような井戸である。
この型の六角井は県下に3個あり、所在地はいずれも港町であり、唐船との交渉がもたれた場所である。五島市の場合は、天文9(1540)年五島領主17代盛定のころ、活躍していた五峰王直(ごほうおうちょく)が交易を求めて来航したので、盛定は居城(江川城)の対岸に土地を与え、唐人町を開かせた。その際、来航してきた唐人達が江川城本丸下につくったのがこの井戸であると伝えている。五島における倭寇時代の遺跡の一つである。
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