中尾山うつわ処赤井倉(奥川家住宅)が所在する中尾郷は波佐見町の東南部に位置し、中尾上登窯跡(史跡)をはじめとする窯跡の歴史遺産や現代の生産窯も多く稼働する良好な窯業集落を形成している。
中尾山うつわ処赤井倉は焼き物の卸商2代目店主により明治23年に建築され、保管されている破魔矢には「明治二拾三年寅三月十七日 棟上 奥川戸市 棟梁児玉政治」とあり、上棟年月日が明らかである。
建物は南西を正面とし桁行8間(16.0m)、梁間4間半(9.3m)、入母屋造、桟瓦葺で一部を2階建としている。
外観は真壁漆喰塗で腰を下見板張りとしている。
内部は西北部の2間を「ドマ(現在は店舗として板張りに改装)」、中央部の2間半を「ミセ」、東南部の2間を「ザシキ」とする典型的な商家建築であり、明治期の代表的な商家の様子をよく伝えている。
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