阿値賀島は平戸の西方約4㎞にあり、2島からなる。総面積は32haで、西海国立公園特別保護地区内にある。外周には、火山岩の柱状節理が発達して断崖をなす。島の上部にはハマビワ・トベラ・マサキ・マルバグミ・ナタオレノキ・エノキなどからなる木本群落がある。その中にビロウが混生し、海上からも視認できる。植物分布上は、ナタオレノキ・ビロウ・イソヤマアオキ・ミヤコジマツヅラフジの生育が注目をひく。上阿値賀島にはオオミズナギドリがすむ。ほかにカラスバト・アマツバメ・シマセンニュウが生息している。
亜熱帯性の島嶼植物群集の北限を代表するものとして貴重である。また、天然記念物であるカラスバトが周年生息するほか、ミサゴ、アマツバメなど多くの種が繁殖し、とくにオオミズナギドリは、約1,500羽以上が繁殖するなど学術上の価値は高く、保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域として全島を指定し保存を図ることとした。
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