生月島は平戸島の北西部に位置し、南北約10㎞、東西は最大幅をもつ南端で3.8㎞の細長い島である。東側はゆるやかな傾斜地になっているが、西海岸は切り立った海食崖が連続し、玄武岩の溶岩流の重なりが露出している。溶岩流の厚い部分では、冷却の際に生じた顕著な柱状節理が発達する場合が多い。島の北西部の塩俵海岸に露出する玄武岩の柱状節理はその代表的なもので、規模はもとより、景観的にもきわめてすぐれている。柱状節理が発達する玄武岩溶岩流は南北に500m続き、20m以上の厚みをもつ。玄武岩の柱はほぼ垂直であり、さらに水平な亀裂が入って板状節理もつくる。柱の太さは60~120㎝もあり、断面は五~六角形をしめす。塩俵断崖の南端の展望所から波打ち際を見下ろすと、この柱状節理の蜂の巣状の多角形の断面も間近に観察することができる。
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