黒子島は、平戸瀬戸にある面積3ha の小島である。古来平戸藩主松浦家の所有に属し草木の採獲を一切禁止していたため、島の照葉樹林がよく保護されている。2通りの植物群落があり、島の外周にはハマビワ群落が取り巻いている。ハマビワのほか、マサキ・トベラ・マルバグミなど耐塩性のある植物からなる。島の大部分は、スダジイとタブノキを主木とし、樹高は18m、最大幹径70㎝を越す。クロガネモチ・ホルトノキ・バクチノキ・シロダモ・ヤブニッケイ・ヤブツバキなど常緑樹が茂り、林下にはムサシアブミ・ノシラン・ホソバカナワラビ・フウトウカズラ・テイカカズラが繁茂する。アコウの巨木もあり、またビロウも生育する。島全体の原始性は高く、北九州暖帯島岐林の代表的林相を呈しており価値が高い。