古路島は小値賀島西部沖500mにある無人島で、最高点が56mの小島であり、地質は小値賀火山群の一員として、玄武岩溶岩と岩滓とから構成されている。島の西側の海食崖に赤色の岩滓層が露出し、それを貫入してY字型の岩頸が見られる。幅約3m、高さ12m程度の小さいものである。火山岩頸とは、火山体が浸食作用によって失われた後も、火道を満たした溶岩や火砕岩が浸食に抵抗して、塔状の岩体として残ったものとされているため、古路島の岩頸はあるいは岩脈の分類に含まれるものかも知れない。五島列島北部の小値賀諸島は、120万年~25万年前の火山活動で形成された島群である。古路島もその一つで55万年前の噴火で形成された。島の西側の海食崖には火口と火道を満たしたまま冷えて固まったマグマがY字状に断面を見せていて、いわば噴火口の化石である。
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