清(し)水(みず)洞(どう)をはじめ、西海町中浦郷一帯にある多くの鍾乳洞の総称である。この地域の地質は、古第三系海成第三紀層の海成層である西彼杵層群よりなり、とくにその下部の石(せっ)灰(かい)藻(そう)化(か)石(せき)を含む石灰質砂岩(七釜砂岩層)の分布地域に、石灰岩地形が発達する。清水洞では、洞口より南東方向に、屈折しながら奥に進み、約800m先の千枚積まで到達できる。その間の高低差は約45m、平均約5°の上り勾配をなす。洞内には、東西性と南北性の直線洞が多く、花の道や大黒殿がその好例である。これは、砂岩層中の亀裂系に支配されたもので、大きな亀裂の交差する所では洞穴は拡大され、踊りの間・大黒の間・恵比須の間などとなる。規模は小さいが、石筍・石柱も発達する。花の道では、壁面に石灰華が析出して美しい。金明ノ滝では、リムストーンなども見られる。長崎県内唯一の鍾乳洞であり、国内でも有数の鍾乳洞であることから価値が高い。
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