里田原遺跡は昭和47(1972)年に発見され、弥生時代の土器と共におびただしい数の木製品が出土したことから、「西の登呂」とも呼ばれている。
出土した木製品は、農具・工具・生活用具・建築材・祭祀具など多岐にわたっており、総数約750点を数える。
木製品の中には製作工程を示す未製品があり、磨製石斧や扁平片刃石斧などの工具も多く出土していることから、農具などを作る工人がいたことが想定されている。特に鍬の製作は大きな木材から割り削り出すという、独自な製作技法があったことも確認されている。
このように、里田原遺跡の木製品は質・量ともに充実しており、木製品の製作技術が推測されるなど、縄文時代晩期から弥生時代にかけての本県の重要な考古資料と考えられる。
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