懸仏とは円形板や鏡などに浮彫の仏像や鋳造の仏像を取付け、釣手環をつけて吊下げるようにしたもので、御正体(みしょうたい)ともいう。鎌倉時代から室町時代に盛行をみたもので、長崎県では県北地方に比較的多数発見される。指定の懸仏群は、聖観音・薬師如来あるいは十一面観音などがみられ、珍しいものとしては如意輪観音の懸仏もみられる。小型で、簡素なつくりの素朴なものが多い。この土地の人々が当社への結縁(けちえん)のために寄進した信仰の在り方を示す遺品である。松浦党の祖・松浦久の子である直が、久安4(1148)年に勧請した今宮神社の旧蔵であるとされる。
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