旧盆に行われるもので神社仏閣に奉納する踊りと龍神、恵比須神社を祀る海上の浦祭りの二つからなり、これを総称して「野母盆踊」とよんでいる。奉納踊りは「鉾舞(ほこまい)」「モッセー」「中老(ちゅうろう)」「トノギャン」で構成されている。中でも「中老」の催馬楽(さいばら)の古風な歌、優雅な踊りと「トノギャン」の大太鼓と鐘の勇壮な合奏は対照的である。浦祭りは、「樽納め」「七・五・三」「ちごの舞」の三部で構成されている。「樽納め」は龍神に神酒を奉納する神事、「七・五・三」「ちごの舞」はトノギャンの大太鼓の音に合わせて船をあやつる恵比須祭りの神事である。
なお、この文化財は、昭和35(1960)年7月13日に県指定無形文化財に指定されていたが、昭和52(1977)年1月11日に指定解除、同日、県指定無形民俗文化財に指定されている。
また、昭和47(1972)年8月5日に野母(のも)の盆踊(ぼんおどり)として記録作成等の措置を構ずべき無形民俗文化財に国により選択されている。