温泉(うんぜん)岳の麓の豊かな湧水を利用して造られた独特の風致景観から成る近代の住宅庭園。「水屋敷」として市民に親しまれている住宅庭園の一つで、四方の眺望に優れることから、主屋は「四明荘」の異称を持つ。
庭園は、昭和初期に禅僧を招いて作庭したものといわれ、主屋は、昭和初期よりも古い時代の建築と考えられる。座敷は、正面と左側面の二方に池に張り出す形で縁を廻しており、一段高い座敷から庭園を見下ろすような形は、座敷と庭園とが一体となった景観を形成している。また、居室棟裏手に位置する四角形の池には四つの中島があり、表の池水庭園とは趣が異なる。池庭はいずれも砂敷き、水は透明で、護岸はごく低い石積でつくられており、池の中には沢飛石が置かれている。
造形意匠・構造に見るべきものがあり、造園文化の発展に寄与している。
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