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ファイル 旧鍋島家住宅

歴史的町並みの核となる近代和風建築 旧鍋島家住宅 5棟(主屋、御座敷、隠居棟、土蔵、長屋門)
旧鍋島家住宅
重要文化財(国指定) 
よみがなきゅうなべしまけじゅうたく
指定年月日平成19年(2007)6月18日
所在地雲仙市国見町神代
所有者雲仙市
年代江戸時代~昭和5年
最寄り駅神代町駅(島原鉄道)下車、徒歩7分

 旧鍋島家住宅は、雲仙市の北方、北に有明海を望む台地上にあり、神代城趾東側の旧武家地神代小路の北西端にある、もと神代鍋島家の住宅建築である。
 主屋は、中庭を囲んで建つ玄関部、客間部、居間部、家政部で構成され、昭和6年に建てられた。周囲には、明治中期の御座敷、江戸後期の隠居棟、明治後期の土蔵、江戸末期の長屋門が建ち、屋敷構えを形成する。
 主屋の玄関部は寄棟造で南面の中央に唐破風造の車寄を付け、天井を格天井、床をタイル貼りとし、石段を設ける。外壁は黒漆喰塗で腰を縦板張とする。
 平面は、石段の奥に8畳の玄関とし、その東に6畳の書生部屋、西に8畳の控の間を設け、南面に出格子窓を付ける。
 客間部は入母屋造、2階建で1・2階ともに周囲に縁等を廻す。
 平面は、1階南に8畳の応接、北に床・棚・及び付書院付の8畳の応接を並べ、両室の間に板欄間を設けて続き間座敷の形式とする。西側に1間幅、東側及び北側に半間幅の縁を廻し東側と北側は外部の泉水池を臨む。南側に2階への階段を設け、2階は8畳の和室を2室南北に並べ、東西に縁を設ける。
 居間部は、入母屋造、2階建で、1階南側に8畳の居間、北側に6畳の居間、2階南側に10畳の和室、北側に6畳の和室を設ける。
 家政部は寄棟造、平屋建で、南端に事務室を配し、東面突出部を土間として事務室玄関とする。事務室の北側に廊下を介して、6畳の男部屋、その北側に炊事場2室を配し、南側を土間とする。6畳の食堂、8畳の女中部屋を南北に並べ、その東側下屋に味噌部屋、使用人用の便所、浴室を設ける。西側の廊下を介して、突出部を4畳半の女中控とし、泉水池に束立てして張り出す形式とする。
 御座敷は、西面を寄棟造、東面を切妻造とし、周囲に瓦葺きの下屋を廻し、北西よりに雪隠を突出させる。平面は、西側に床の間・付書院を並べた18畳の座敷、東側に18畳の次の間を設ける。2室の間に板欄間を入れる。南側に1間の縁を付ける。
 隠居棟は、寄棟造、茅葺の2階建で、1・2階ともに西側を12畳の和室とし、奥行きの浅い床の間を付け、東側を8畳の和室、北側を縁とする。また、東側には浴室部が附属する。
 土蔵は切妻造、平入りとし、基礎切石2段の上に築かれ外壁は下見板張とする。内部は1・2階ともに一室で小屋組は大梁に束立てとした和小屋とする。
 長屋門は切妻造、1部2階建で北側に下屋を設ける。中央部に門口を開き、両脇に部屋を設ける。外壁は漆喰壁とし、腰を縦板張とする。各部屋の西側に出入り口を開き、上部に瓦庇をかける。
 各建物は、和室を基本とし、要所に座敷飾りを備え、天井や板欄間など、各部の造作も丁寧なつくりとしている。
 旧鍋島家住宅は、中庭の泉水池を囲う棟構成と、接客及び家政空間を重視した平面構成に特徴がある。また、雲仙島原地方における代表的な近代和風住宅建築であるとともに、重要伝統的建造物群保存地区に選定された神(こう)代(じろ)小(くう)路(じ)の特色である武家屋敷の構えを残し、保存地区の中核施設として、高い価値が認められる。


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