平戸藩主の参勤交代等の往路第一夜、復路最終夜の宿泊本陣である。
本陣の成立については、元禄年間には機能していたと推測され、現在の本陣は、文政13年(1830)から改築と築庭を始め、天保3年(1832)に完成している。御(お)成(なり)門を入ると左手から式台の間(12畳)、次の間(8畳)、重臣控えの間(8畳)、奥の間(8畳)が南北に直列して並び、右手に次の間(8畳)と1段高くなった藩主専用の座敷・御成の間(8畳)がある。御成の間の背後には、藩主専用の小屋が付随し、風呂と雪隠(せっちん)がある。
座敷の南北に緑が走り、裏山の崖を利用した庭園と池からなる築庭があり、現在では珍しい水(すい)琴窟(きんくつ)がみられる。現在、本陣の形態をそのまま保存しているのは県内でも他に類がなく、貴重なものである。
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