旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設は、大正11年(1922)に旧日本海軍が建設したもので、無線塔、電信室を主体とした各種建造物が現存している。
3基の無線塔(いずれも高さ136m)が各塔間300mで配置されており、その中心に耐爆構造半地下式2階建の電信室が建造されている。両建造物はともに鉄筋コンクリートにより建築されたもので、鉄筋コンクリート技術が国内に導入されて約20年で完成度の高い巨大施設を造り得たことを証している。
また、当該施設は、無線の発明からわずか27年後に長波通信のために建設され、電波技術史の中で記念碑的な施設として位置付けられており、さらに、無線塔と電信室がともに現存する国内最後の施設であり、かつ日本近代化を象徴する遺構として高い評価を受けている。
旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設はわが国で最初期に建設された無線電信施設であるとともに、わが国に現存する唯一の長波通信施設として高い価値を有する。また、大正時代におけるわが国最高水準のコンクリート技術を示すものとして土木技術史上も意義
が認められる。
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