弁天山は、長崎半島の先端、脇岬にある小さな陸けい島で、海抜約20m、古くから保安林として保護されてきた。丘の上には弁天を祀る小社がある。全域は樹林におおわれている。おもな樹種は、アコウ、モクタチバナ、アラカシ、シロダモ、ヤブツバキ、ヤブニッケイ、ハマビワ、マサキ、トベラなどの常緑樹、ムクノキやエノキの落葉樹である。樹下には、ホソバカナワラビ、オニヤブソテツ、ノシラン、キジョラン、テイカカズラなどの常緑植物がある。植物分布上、アコウ、モクタチバナ、ハカマカズラ、アオノクマタケランなど南方系の植物の生育は注目を引く。とくにアコウは各所に生育していて弁天山の景観を特色づけ、モクタチバナは樹叢の優占種となっている。
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