山下家は街道筋にあって、藩主松浦公の宿泊の本陣に当てられていた。酒造は元禄年間(1688~1704)の創業という。この建物は創業当初のものと言い伝えられ、山下酒造家発祥の建物として、よく保存されている。1~2階を貫通する巨大な手斧(ちょうな)仕上げの通し柱を中央部に立て、これにすべての梁桁を架けて屋根を支える極めて特長のある構造である。柱を少なくして、作業を便利にするための工夫であったと思われる。本瓦葺、下屋桟瓦葺で、内部は一部改造や若干の補強改修が認められるが、旧態はよく残されている。
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