肥前西部(長崎県)最大の戦国大名であった有馬氏の居城跡である。有馬(古くは有間)氏は,肥前高来郡有間庄を本貫とするものである。日野江城は,経澄が建保年間(1213~1219)に築城したと伝えられるが,実際は南北朝頃の構築であろう。有馬氏の後,江戸初期の元和2年(1616)以降一時松倉氏の居城とされた。城は町内の城山を中心に営まれた平山城で,山頂の本丸を中心として,その東南に二の丸,一方北西のやや隔ったところに三の丸がある。本丸の北と三の丸の南に空堀(からぼり)跡がある。二の丸の東南に大手門があり,付近にかなり石垣が残っている。戦国大名の居城跡を示すもので貴重である。
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