ビーチロックは海浜の小石(礫)や砂が石灰質により凝結してできた一種の海浜堆積岩で、通常は砂浜と海水の間にあり、満潮時は海水に没していて、干潮時に露出する。当地では5㎜~5㎝程度の礫が灰黄土色の石灰質泥で固められた岩石となっており、厚さ10~30㎝の層が幾重にも重なって形成され、祗園山の付け根で扇形に広がっている。干潮時に露出した所で長辺約240m、短辺約100mで、面積約24,000㎡という大規模なものである。一般的にビーチロックは、熱帯の南洋諸島や北アメリカ海岸、カリブ海岸などに見られ、我が国では、沖縄のような珊瑚礁の発達する熱帯~亜熱帯の海浜での存在が報告されている。脇岬のものは九州本土では北限であり、非珊瑚礁地域でこれ程大規模に発達したビーチロックは極めて珍しく、離島を除いた本土地域では最大規模と思われる。
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