オオウナギは熱帯性の魚で沖縄から茨城県にわたる太平洋沿岸に分布する。体長2mにもなり、灰黄褐色の地に黒褐色の不定形斑紋がある。県内では五島列島、西彼杵半島の川でまれに発見される。樺島の共同井戸には古くから住みついている。井戸は1.6m四方、深さ3m余の石積みで、井戸に沿い海に注ぐ細流には、かつて初夏、ウナギ仔魚が谷川をまっ黒にするほど遡っていた。オオウナギの仔魚も、こうして井戸の石積の間から入ったものであろう。熱帯性の魚であるオオウナギの古くから知られている北限生息地として価値が高い。
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