対馬の刀工・長幸による在銘刀である。表銘に「本州島主義成命冶工作以奉献納神殿伏垂霊鑑」、裏銘に「惟時寛永庚午二月吉日対州住長幸造」とあり、寛永7年(1630)に作られたことが分かる。長さ90.5㎝、反り3㎝。地肌は小(こ)杢(もく)目(め)よく結んで、錵(にえ)強く、刃紋は互(ぐ)の目に丁字乱れ、焼巾広く3尺の長刀である。「本州島主義成」とは対馬藩2代藩主の宗義成で、菩提寺である万松院を建立し城下町・府中の形成に力を尽した。刀工の「長幸」とはお抱え刀鍛冶で、文献にある「対州長之」(慶長)の縁類か門弟ではないかと思われる。
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