出島出入の絵師・川(かわ)原(はら)慶(けい)賀(が)の筆で、1巻は唐館図、他の1巻は蘭館図となっている。唐館図は唐船入津・荷揚水門・水門内部・上陸道中・唐館表・唐人部屋遊興・龍踊・観劇・唐船出港・彩(さい)舟(しゅう)流の10図が描かれる。蘭館図には蘭船入港・荷揚・商品入札・商品計量・倉庫前銅請渡・庭園内動物・調理室・酒宴図・娯楽室(玉突き)・蘭船出航の10図が描かれている。製作の時期は印章に「田口」の印があり、慶賀後期の作品であると考えられている。この絵巻の価値は西洋画法について心得のあった慶賀の代表作品であると共に、長崎に入港してきた中国・オランダ人の唐蘭館内における生活の模様を克明に記録的に描いているところにある。
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