楕円形の青銅製大型メダリオン。存在当初から原罪から免れているという聖母マリアをモチーフとしており、黙示録の説明にしたがって、身に太陽をまとい、両足で弦月を踏みしめ、頭には十二の星を連ねた冠をかぶった姿を表わしている。スペイン製で16~17世紀に伝来したもので、全長11.4cm、最大幅員7.4cmで二つに割れている。昭和7年(1932)頃、大村中学校(現大村高等学校)新築工事の際に寛永16年(1639)墓碑銘の大村藩の家老宇(う)多(た)氏の墓から出土した。島原の乱後、大村キリシタンの実情を物語るものとして、その歴史的な意義は大きい。類品は東京国立博物館に2枚、大浦天主堂に1枚ある。
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