この天然林は、多良(たら)山系の裾野、海抜230~300mのゆるやかな起伏をもつ丘陵地にある。藩政時代から伐採されずに残ったものである。イチイガシは、おもに谷すじの緩やかな地形に生え、林内にはカンザブロウノキ・シロバイ・クロバイ・ミミズバイ・ヤマヒハツ・ルリミノキなどの常緑木本が生育している。天然林の主木には、イチイガシのほかにコジイが交じる。ともに幹径70cm、樹高20m以上に達する。斜面や尾根すじではコジイが多くなる。イチイガシは単木では他所にも残っているが、その天然林が原始性高く残されているところは全国的にみても数少なく価値が高い。
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