唐土切組み唐工匠により建立された諸殿堂門の多い寺内で、最も中国趣味の濃厚なこの門は、実は日本人工匠の手になるもので、建立年代も最も新しいという意外性を持つが、今では崇福寺の象徴となっている。寺門としては第一峰門の位置が最初で、その下段のここに新しく山門が創建されたのは、寛文13年(9月改元延宝、1673)という。(宮田安説)当初は単層屋根八脚門形式であったと思われるが、類焼や風倒のあったあと、嘉永2年(1849)4月上梁の再建時に、はじめて現在の龍宮門造りとなった。三門の三は空・無相・無作の三解脱をいうとか、知恵・慈悲・方便、あるいは教・律・禅をいうなど、諸説がある。中央と左右脇門の三つの門戸がある。基部は石・瓦などの練(ねり)積(づみ)漆(しっ)喰(くい)塗(ぬり)。全体の意匠に技巧の限りを凝らした中国趣味建築として異色である。
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