媽姐とは、海上守護神として天(てん)妃(ぴ)・天(てん)后(こう)聖(しょう)母(ぼ)・老媽(のうま)・娘媽・菩薩(ぼさ)その他の呼び名があり華南地方で尊崇されている。
航海安全を願う唐人は、まず媽姐堂を建立、各自の船に奉(ほう)祀(し)する媽姐の小像は、在泊中ここに安置した。興福寺その他の唐寺(とうでら)で唐人が一寺建立した目的の一つもこれにあった。当寺も草創の当初から媽姐堂があったと思われる。現存のものは、寛政6年(1794)唐船主らが白砂糖1万斤代銀12貫目を寄進し、これをもって大改修を加えたもの。前面1間通り吹放しを有し、この部分は黄檗(おうばく)天井。基壇上前面に木製勾欄がある。内部は格(ごう)天(てん)井(じょう)で、左右側壁には外部に突き出した棚がある。在泊船の媽姐像を安置するもので、菩薩棚という。港内から望見できる目印の旗を立てた刹(せっ)竿(かん)(旗竿)石1対が、鐘鼓楼の前にある。
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