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平成24年4月17日 定例記者会見

 ●会見内容●

1.新年度を迎えて
2.災害廃棄物の広域処理について
3.朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射に伴う対応について
4.石原東京都知事の尖閣諸島購入発言及び諫早湾干拓事業について
5.離島地域の活性化について
6.県民所得向上に向けた取組について
7.原子力災害に関する対応状況について
8.災害廃棄物の広域処理について
9.原子力災害に関する対応状況について
10.離島地域の活性化について

1.新年度を迎えて

○広報課長  定例記者会見を始めさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

○知事  皆様、こんにちは。
 新しい年度が始まって初めての会見の場になりますので、まず少し、今年度特に力を入れて取り組んでいきたいと考えております項目について、お話をさせていただきたいと思います。
 既に年度初めに庁内の職員にも幾つかお話をさせていただいたところでありますが、ご承知のとおり、本県は、人口の減少、県民所得の長期低迷、地域活力の低下といった構造的な課題に直面をしておりまして、これがなかなか出口が見えないという状況が続いているところであります。
 今年はそうした課題にしっかりと正面から向き合って、解決の道筋なりとも明らかにできないだろうかという思いを持って取り組んでいきたいと思っております。
 まず一つは、やはり県民の皆様方からいつもお話をいただくのでありますが、県民所得の低迷、これは一人当たり県民所得が大体近年46位から44位ぐらい、低位に張り付いてほとんど動かないという状況が続いております。実は、これまで一番順位が高かったのは、昭和31年の32位という一人当たり県民所得の順位でありました。
 その後は、今申し上げたように、本当に他県が大幅に順位を高めたり低めたりという移動がある中で、本県はほとんど張り付いて動かない。こういった部分について、しっかりと原因分析をして、具体的な取組の方策というのを考えていきたいと思っております。
 ご承知のとおり、本県は離島を数多く抱えておりまして、本土地域の面積が6割、離島地域が4割という面積構成になっているのでありますが、本土6割の面積はどのくらいかというと、ちょうどお隣の佐賀県と同じぐらいの面積になっております。それなら、本土部分で佐賀県と比較してどうなんだろうかという議論をするときに、例えば製造業等についてはほとんど遜色のないような数、付加価値額も見られるところなのでありますが、これを一人当たりに直したときにぐんと下がっていくと。これはもうやはりお住まいの人口が大きいということだろうと思いますが、まさに就業率、この数字自体も全国と比べると低いというような状況でありまして、よく県民の皆様方から、働きたいけど、職場がないんだというようなお話があります。そういったところをもう少し深く分析をして、各産業分野について、足りないところはどんなところなのか、どういった産業分野をどういう方向に誘導していけばいいのか、それについて、真剣に改めて分析をし、具体的な方策、方向性を見定めて、県民の皆様、各産業界の皆様方と力を合わせて取り組んでいかなければいけないと思っているところであります。
 したがって、現在、そうした産業構造の面を含めてしっかり分析作業を進めているところであります。
 2つ目の課題でありますが、これはまさに長年の本県の宿命とも言うべき課題で、離島地域の活性化をどう進めていくのかということであります。まさに、県政の最重要課題として長年にわたって取り組んできたところでありますが、なかなか人口流出に歯止めがかからないという状況が続いているところであります。
 そういう中で、もう既にお聞き及びのとおり、島内消費の拡大のために共通地域通貨の発行といった点についても具体的な検討を進めているところでありますし、また、運賃・輸送コストの格差是正に向けた検討も着手をしているところであります。
 折しも離島振興法が、来年の3月で法期限を迎えます。現在、この離島振興法については、与野党7党間の実務者会議で離島振興法の改正大綱の作成が進められておりまして、順調にいけば今通常国会にも法案が提出される予定であると聞いているところでありますが、やはり根本的な課題は、先ほど申し上げましたように、運賃・輸送コストの低廉化、あるいは、ガソリン価格といった燃油価格の本土・離島間の格差是正、そういった部分を含んで、あるいはまた、居住環境の整備といった面を含めて、思い切った内容を、この離島振興法の改正に盛り込んでいただく必要があると考えておりまして、そういう意味ではまさに正念場を今年迎えております。
 国会議員の皆様方含めて、国に対して強力に要請活動を展開していかなければならないと思います。
 そしてまた、本県独自の課題であります国境離島、通常の内海離島と比べまして隔絶性が大幅に違うという宿命を背負った離島でありますので、こういった国境離島の課題、これにしっかり向き合うような政策というのも、これは要請していかなければならないと思っております。
 実は、離島振興法の中に、こうした国境離島の内容も盛り込むべきかどうかという議論があったわけでありますが、なかなか関係団体、都道府県等の合意も難しい面がありまして、恐らく離島振興法は離島振興法、その後で国境離島法という立法措置を進めていく必要があるのではないかと考えているところでありまして、そういった面も含めて、しっかり国策として取り組んでいただけるように力を注いでいかなければならないと思っております。
 そして、3つ目の課題でありますが、やはり地域発の地域づくり、地域の皆様方の思いやこだわりをしっかり活かしながら、地域の活性化に本腰を入れて取り組んでいかなければならないと思っております。
 これまでも私自身、青空知事室といったような機会をいただいて、それぞれの地域の中に直接入って住民の皆様方のお声をちょうだいしてきたところでありますが、まだまだ足りないという思いがございます。したがいまして、「こぎ出せミーティング」ということで、各振興局単位で、地域の皆様方とさまざまな課題について意見交換を重ねて、具体的な課題解決に向けた方策を協議していただくような場を設けていきたいと思っております。こうした場にもできるだけ積極的に私も参加させていただきながら、それぞれの地域課題の解決に向けた取組を進めていく必要があるものと思っているところであります。
 ちょうど新年度予算には、地域コミュニティの活力低下という課題に直面している状況を受けて、例えば自主防災組織の構築でありますとか、あるいは子育て環境の整備、高齢者を中心とした見守り体制の整備といった、そういった地域課題に対して取り組んでいただくための新しい交付金制度等も設けたところであります。
 こうした取組については、行政だけの力では到底難しい問題がありますので、市町、そして、住民の皆様方と一緒になって、地域の活性化に向けていま一度取り組んでいきたいと考えているところであります。
 そして、最後4点目、重要であると考えておりますのは、やはりアジア・国際戦略であります。
 実は、このアジア・国際戦略も2年目を迎えているところであり、昨年は孫文と梅屋庄吉に光を当てて、さまざまな事業に取り組んでまいりました。
 そうした中で、新しい流れも生じてきつつあります。
 例えば、湖北省との友好関係の締結、そしてまた、香港政財界との新たな人脈の構築といった成果も見られつつありますので、これを地域経済の活性化にどう結びつけていくのか、もう一度政策の熟度を高めて、具体的な戦略を推進していきたいと考えております。
 今年はちょうど、日中国交正常化40周年、長崎県と福建省の友好県省締結30周年という節目の年を迎えます。
 また、2月末日に本格就航をいたしました長崎上海航路、これも、船内の改装がこの後予定されておりますが、正念場はこの夏場以降だろうと思っております。したがいまして、中国におけるこの長崎上海航路の認知度向上に向けたさまざまな情報発信、そして、九州全域を視野に入れたインバウンド対策、アウトバウンド対策、こうした取り組みについて、HTBクルーズの皆さんとも力を合わせて取り組んでいきたいと思っております。
 それからまた、韓国との関係でありますが、ご承知のとおり、「長崎ちゃんぽん」で大好評を得ておられる韓国・三養食品の社長さんが昨日来県されました。1億5,000万個売れているというようなお話でありまして、その中で長崎、そしてちゃんぽんの由来も紹介をしていただいているということであります。その他にもさまざまな要素がありますので、韓国との新たな交流関係の構築に対しても、積極的に検討を進めていきたいと考えているところであります。
 課題は山積をいたしておりますが、そうした課題に今年度は特に重点的に取り組んで、県勢の活性化を目指してまいりたいと考えているところであります。
 そういった意味で、幅広い県民の皆様方のお力添えを賜ってまいりたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。何かございましたら、よろしくお願いします。

2.災害廃棄物の広域処理について

○記者(NHK)  幹事社のNHKです。よろしくお願いします。
 1点目なんですが、震災のがれきについてなんですけれども、市町から県に対して、自治体の要望とかを集約する会議を開くように求めたり、県央県南クリーンセンターが、がれき処理ができるのかどうか、国に照会するよう県に要請するという動きもありましたけれども、今後の県の対応としては、どういうふうなことを考えていらっしゃいますか。

○知事  実はこれまでも、環境省から専門家の方々をお迎えして説明会等も開催しました。そして、さまざまな場をとらえて、環境担当の市町の職員の皆様方にお集まりいただいて情報交換等も進めているところであります。
 そういった中、先般、内閣総理大臣と環境大臣から要請がありました。3月16日付の要請でありましたが、これに対して4月9日付で回答したところであります。
 基本的な姿勢については、繰り返し申し上げておりますとおり、本県は、これまでも災害の体験をもっており、全国の皆様方から励まし、支援をいただいて復興を遂げた体験をもっておりますので、やはり被災地の復興に向けて積極的な支援は進めていきたいと。
 ただ、基本的なそういう考え方は持っておりますが、放射性物質を含んだ災害がれきを受け入れて処理をするということになってまいりますと、その放射性物質を最終的にどういう形で処理していくのか。住民の皆様方の安全・安心を確保しつつ、こうした被災地の復興に向けて努力するというのが不可欠の条件であろうと考えているところであります。最も懸念されます事項は、一般の焼却方式で焼却をいたしますと、焼却灰の放射性物質の濃度が33倍まで濃縮されるということでありまして、国の方では8,000ベクレルまでは埋め立てて大丈夫だろうという方針が示されているところでありますが、その焼却灰を具体的にどういう形で埋立処分をしていけば安全であるのか。そして、なおかつ住民の皆様方に安心していただけるのかという点が一番大きな課題であろうと思います。
 この放射性セシウムというのは、非常に水に溶けやすいという性質があるそうで、例えば埋め立てた焼却灰が雨水に洗われて、この埋立処分場から排水として公共用水の中に流れ出すということがありますと、濃度次第によっては環境汚染という問題にもなりかねません。
 したがって、本当に安心できるようなそういった最終処分の方式、これはどうしたらいいのかといったことをお尋ねしているのですが、国においては、下に土壌を引いて、焼却灰をその上に載せ、その上にまた土壌で覆土すれば安心でしょうというようなお話をいただいているのですが、本当に放射性物質は流れ出すことはないのかといったことについては、具体的な回答、基準などをいただいておりません。
 特に先般は、被爆関係団体の皆様方から、これを受け入れては困るというご要請もあったところでありまして、やはり地域住民の皆さん方に安心していただける具体的な方策をいかに確立していくかということが大切になってくるものと思っております。それぞれの焼却方式に応じて、それぞれの課題があるだろうと思います。
 そういう中で、いわゆるストーカー方式というのが、先ほど申し上げた一般の廃棄物とあわせて混焼して、放射性物質が33倍に濃縮されるという焼却方式でありますが、県央地域の広域圏の焼却炉は全く別の焼却方式でありまして、これについては国の処理基準といったものも一切示されておりません。
 したがって、それを国にお聞きしたいと思いますが、具体的な基準なり考え方が示されるのかどうか。これは、なかなか難しい面があるのかなと思っております。
 そういうことで、今、既に市長さんが検討をしたいと表明をいただいているところが、長崎市、佐世保市、大村市等あります。しかも県内の処理能力から考えて、長崎、佐世保が一番大きな焼却容量をお持ちでありますので、こういった自治体の皆さん方と具体的な課題について、各担当レベルで今、協議、検討を進めている段階であります。
 一定の方針が出されるということになれば、早急に市町の皆さん方とも協議した上で、方針をお示ししていきたいと思っております。

3.朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射に伴う対応について

○記者(NHK)  すみません、もう1点なんですけれども、北朝鮮のミサイルの関係なんですが、予測どおりの軌道に乗らなかったことからわかるように、今後また同じような事態が起きた時に、どこに落ちるかわからない、長崎に万が一落ちる可能性もなくはないわけですね。同様の事案が起きた場合、例えば国に対してPAC3の配備を求めるとか、そういったお考えとかは何かございますでしょうか。

○知事  そうですね、今回の事例等を考えました場合に、各国がまさに発射中止要請を重ねてきた状況であるにもかかわらず、人工衛星と称してミサイルが発射されたわけであります。
 これは、まさに国の安全保障の根幹にかかわる課題でありますし、また、国際社会の平和、安定を揺るがす極めて重大な事態であると考えているところであります。これはしっかりと国に対して適正な対応を求めていく必要があると考えているところであります。

4.石原東京都知事の尖閣諸島購入発言及び諫早湾干拓事業について

○記者(日本経済新聞社)  幹事社の日本経済新聞です。
 2点ありまして、1点は先ほど言われた国境離島の課題についてですが、今日、東京の石原知事が尖閣を東京都が買うというような発言をされていますが、それについてはどう思われているか感想をお聞きしたいということが1点。
 あともう1点が、今月7日に鹿野農水大臣が佐賀県を訪問しまして、漁業関係者や古川知事と会談して、佐賀県側からは国が話し合いの場を持って長崎県と佐賀県を取り持つような形にしてほしいという要望があったかと思います。あと、制限開門が基本ということも(大臣は)言ったかと思うんですが、それについて長崎県の姿勢を改めてお聞かせください。

○知事  尖閣を買うという発言があったということでありますが、所有権がどうなっているのか、恐らくその昔はあそこで食品加工関連の会社も操業されていたということでありますので、土地の所有権は国内の方々がお持ちになっておられるんだろうと思うんですね。そういった中で自治体の方で用地を取得されて所有権をしっかりしたものにされるということについては、国内的には意味があるんだろうと思いますが、国内の問題を超えた国際的な課題になっているわけでありますので、そこについてはやはりしっかりと国策として外交上の大きな課題として取り組んでいただく必要があるものと思っております。
 そういう意味で、本県も数多くの国境離島を抱えている県でありますので、まさにそういった課題はまた新たな問題が生じかねない環境にもあるわけであります。国の責任においてしっかりと国土を守っていただくように、そして、人が住み続けているとこうした問題にはなかなかつながりにくい面がありますが、人口流出がどんどん続いていきますと、無人島化してくる、これが一番大きな課題になってくるんだろうと思っております。
 そういう意味で、先ほど申し上げた国境離島について新たな法整備が必要ではないかと。こう考えておりますのは、さまざまな居住環境の整備を含めた国策としての取組、そのことが国土の保全にまさに必要不可欠ではないかといった主張等も重ねてきているところであり、そういった観点の施策も盛り込んでいただきたいと考えているところであります。
 それから、諫早湾干拓事業について、先般、鹿野農林水産大臣が佐賀県を訪問されたというのは、私も承知しているところであります。そういった中で両県民、県当局なのかどうかわかりませんが、佐賀、国、長崎、一緒に話し合いの場を持ったらどうかというような話があったというのもお聞きしております。
 ただ、今回の課題というのは、ご承知のとおり、私どもは開門問題については、環境アセスをまだ進めている最中であるので、環境アセスの結果を待って客観的、科学的な観点から慎重に検討していただきたいということを繰り返し繰り返し要請をしてきた話なのであります。官邸まで参りました。そして、菅総理には直接、この福岡控訴審判決を受け入れられることがないようにという要請も重ねてきたところでありましたが、一切報告も、ご説明もいただけない中で、上告を断念された結果、今があるわけであります。したがって、その裁判の結果というのは、国が責任を持ってお受けいただくべき結果であろうと思っております。
 仮に開門がなされるということになりますと、これまで繰り返し申し上げてきましたように、地域住民の生活の安全確保、あるいは農業、水産業等に重大な影響、支障が生じる懸念があるわけでありまして、そういう中で住民の皆さん方が新たな訴訟も提起されているところであります。
 話し合いをという話でありますが、恐らく開門をしろという片方の意見の中で話し合いのテーブルに入っていくということになるんだろうと思います。我々は、そうした場に上がるのはいかがなものかと思っております。

5.離島地域の活性化について

○記者(共同通信社)  国境離島と離島振興法の法整備の関係で伺いたいんですが、知事の発言を聞いてますと、国境離島と離島振興法と別の条項があるべきだというふうにお考えですか。

○知事  そうではないんです。実を言うと、離島振興法というのは、全国の離島を全部包含するような形で法整備がなされております。もちろん、沖縄とか奄美とか小笠原というのは、これは特別法がありまして、別の法体系が見られるところでありますが、そのほかの離島というのは、すべてこの離島振興法でさまざまな施策が講じられているところであります。
 先ほど申し上げたように、さまざまな条件整備が今こそ必要だという思いがございまして、離島振興法の中ですべてこれが解消されるような施策内容が盛り込めれば、それで十分だと思っております。
 しかしながら、特に先ほど申し上げました国境離島、これは内海離島とまた違う要素も見られるわけであります。例えば、対馬で韓国資本による県土の土地の買収といった問題があったり、あるいは人口流出がどんどん、どんどん進んでいって歯止めがかからない。そういった中で国益を、国の領土、領海をどう守っていくのか。これは国益に直結する問題でありますので、それだけ隔絶性が高い国境離島に人が住み続けるためには、これまでの施策では不十分だと。したがって、そういう内容を盛り込んでほしいという政策要請を行いました。ただ、それについては相当な財源、これまでにないような政策内容が必要になってきます。
 全国の離島の中でも、数多く離島を抱えておられる自治体さんがあれば、一部離島という自治体さんもありまして、その辺は、例えば本県が要請した離島振興債でありますとか、離島振興基金でありますとか、一括交付金でありますとか、さまざまな財源措置等の要求もしていたのでありますが、全国の自治体の間でそうしたことに必ずしも賛同が得られませんでした。
 そうであれば、やはり国境離島という特性にかんがみて、改めて法体系としてつくり直す必要があるのではなかろうかと、こう思っているところであります。国境離島を抱える他の自治体の皆さん方とも連携を深めながら、次なるステップとして国に対する働きかけをしっかり進めなければならないと考えております。

6.県民所得向上に向けた取組について

○記者(NBC)  先ほど本県の雇用状況、産業構造のことを分析して、何とかしたいというお話でしたけれども、その中で、年間の就労時間が長崎県が最も多いと、他県と比べて多いということも一つあるのかと思うんですね。そういった観点も一つ考えないといけないんですけれども、そういったことについてはどう思っていらっしゃるかということと、あと残り任期が2年をもう切ったということで、こういうことをやりたいということでしょうけれども、いつごろまでに分析して新たな手を打っていきたいというふうにお考えなのか、教えていただけますでしょうか。

○知事  県内の就労時間、労働時間が全国トップであるというのは認識をいたしておりまして、まさにご指摘いただいたような課題意識を持っております。
 実を言いますと、これは県民所得の統計の隘路(難点)でもあるんですが、例えばサービス産業がありますね。サービス産業がありますと、全国のサービス産業付加価値額というのは中央で一括して把握できるんです。それを各県のサービス産業の付加価値額にどう割り振りするかというと、就業者数、何人そのサービス産業で働いているかということで割り振られるんです。按分されて、長崎県のこの分野のサービス産業の付加価値額は幾らと。したがって、就業者数が多ければ多く産出額が統計結果として割り振られると。それで、実を言うと、労働時間が長いということは、それだけ新たな雇用に振り替えていただく可能性もあるのではないかと。ワークライフバランスを十分考えていただきながら、雇用の機会を拡大していただく、そういう取組も必要ではないかなと思っております。その辺についてもしっかり分析をして、どう取り組んでいくのか、検討をしてみたいと思っております。
 今申し上げた項目は、実は議会の質疑の中でも一部お答えしたところでありますが、残された期間は半分を過ぎました。できるだけ早く具体的にプロジェクト化し、事業として取り組んでいきたいと思っているところでありますが、一定の方向性が見られれば、場合によっては補正予算で検討いただくということも視野に入れて、検討作業を進めているところであります。
 ただ、少し時間をかけて議論をしなければならない部分がありますので、例えば9月補正予算に間に合うかどうか。これからの分析作業、各部局における検討作業を待った上で判断せざるを得ないと思っておりますが、遅くとも来年度の予算にはしっかり計上して事業化を目指していく必要があるものと思っております。

7.原子力災害に関する対応状況について

○記者(朝日新聞社)  原発安全協定について伺います。
 4月2日に九電(九州電力)が福岡県などと安全協定を結びましたけれど、内容的には長崎が求めている立地県並みというのと比べると、大分レベルが見劣りするような内容でした。でも、それを先に福岡県が結んだということに対して、県内でもその九電が今後の安全協定を結ぶ上でプレッシャーをかけるのに使われるんじゃないかとか、条件を下げるために、何かつながるんじゃないかという懸念する声も一部ありますけれど、知事としては、九電と福岡県が安全協定を先に結んだということをどのように受け止めていらっしゃるのか。また、今後、どのように交渉を進めていくお考えなのかを教えていただいていいでしょうか。

○知事  この間の安全協定の協議に対しては、実は本県が福岡県さんよりも早く九電との協議に入ったわけであります。ただ、本県の状況といたしましては、今お話がありましたように、玄海原発からわずか8.3キロメートルしか離れていないという地域に集落等が存在するわけでありまして、やはり地域住民の皆様方のご懸念等は強いものがあると考えております。そういう意味で、福岡県さんがどう判断されるのかというのは、これは福岡県さんのご事情によるものであって、早く協議を終えられ、合意が得られたということに関しては、私の立場では何も申し上げることはございません。
 ただ、本県は本県として、そういった位置関係にあると。地域住民の皆様方の目の前に、海域を隔てて目の前に原発があるわけでありますので、そうした地域住民の思い、そして県民の皆様方の思いというものをしっかりとこの協定の中に反映させていく必要があるものと考えて、これだけの時間を用いながら協議を重ねているところであります。
 ただ、いたずらにその協議が長引くということも、これは決して好ましい話ではないわけでありますので、できるだけ早く合意を得て、協定締結に至るよう、これからも努力をしていきたいと思っております。

○記者(朝日新聞社)  それは立地県並みの協定を結ぶということについては、姿勢は変えないということですか。

○知事  なかなか難しいところはあるだろうと思います。立地県というと、恐らくほかの原発との関係から考えて、その原発の立地県、端的に言うと事前了解、これは恐らく立地県、立地自治体にしか認められていないような協定内容ではなかろうかと思います。
 全国に原子力発電所の立地県と電力会社との協定がある中で、本県だけ(立地県並みの協定が)認められるかというと、これはなかなか難しい面もあるのかなと思いますが、我々はそうした住民の皆さん方の思いをこの協定の中に盛り込んでいくという基本的な姿勢で、粘り強く取り組んでいきたいと思っております。

8.災害廃棄物の広域処理について

○記者(長崎新聞社)  震災がれきの話で、先ほど知事もおっしゃられましたけれども、3月に国の方からも照会があって、その回答期限は4月6日でしたが、県としては9日付で回答されたというふうにおっしゃいましたけれども、その回答の文書自体は、公表はされていませんよね。
 他の、例えば福岡市さんなんかは、ホームページの方にその回答とかも含めて公表されていて、長崎県の場合は、特に被爆県でもあるということもあって、県民の皆さんの関心も高い問題なのかなというのがあって、それでなぜ公表をされなかったのか、そこに何がしかの理由があるのかなと思って、ちょっとお尋ねしたいのですが。

○知事  特に(理由は)ありません。
 国の方で公表された本県の回答には、このように書いてあります。
「本県における災害廃棄物の処理については、処理施設を有する市町等の協力が不可欠であり、かつ、被爆県であるという県民感情にも配慮する必要があることから、安全性確保のための具体的な方策について、現在、市町も交えて協議を進めているところであります」と。これが一番最後の段落でして、その前段にはどんな趣旨を書いているかというと、本県は先ほど申し上げたように、災害の都度、全国の皆さんから支援を受けてきたということもあって、被災地の一日も早い復旧・復興のためには、やはりその復旧・復興の支援に努めることとしており、広域処理についても、その必要性は認識しておりますと。したがって、これまで市町に対する説明会も、これは九州で一番最初だったと思いますが、受け入れに向けた説明会を開催して、検討をお願いしてきたと。
 しかしながら、焼却灰等の埋立処分場からの放射性物質の流出、そういった可能性も懸念されるなど、なお幾つかの課題が残されていると考えております。それで、先ほどのくだりになるのですが、受け入れのためには基礎自治体である市町村の皆様方の協力を得ることが不可欠であって、具体的な方策について協議を進めているところでありますという回答をさせていただいております。

9.原子力災害に関する対応状況について

○記者(西日本新聞社)  原発の安全協定の関係なんですけど、立地県並みの事前了解とか、立入調査とかですね、そういうのは本県だけに認められるかというと、全国的にやっぱり立地自治体しか認められていないということで難しいということなんでしょうけども、このままあくまでも突っぱねるということではなくて、やはりこれをもう降ろすということもあり得るということですね。

○知事  それを全く白紙にするということは考えておりません。
 ただ、立入検査に関して言えば、協定を結ぶ、結ばないにかかわらず、立入検査権はあります。
○危機管理課長  立入検査については、原子力災害対策特別措置法と国の通知により本県もできることになっております。協定に盛り込むことで、将来的に法律や通知が変わったとしても、しっかりと検査ができることが確保できますので、協定でしっかりうたえれば、それにこしたことはないと考えております。
○知事  改めて協定の内容で位置づけたいということだと思います。
 問題は、施設の変更等を行う際の事前了解、これがやはり一番大きな課題になってくるのではないかと思います。全国で原子力発電所の立地県だけが、恐らく協定の中で明らかに位置づけられているのではないかと思いますので。そこのハードルをどう超えていくかというのは、なかなか難しいところがあると思います。事前了解そのものについて合意が得られるかどうかというのは、まだまだ今後の協議によるものだと思いますが、ただ、こうした位置関係にある本県の実情等については、しっかりと理解をいただいて何らかの形で協定の中で明らかにしていただけるよう努力していきたいと思います。
○記者(西日本新聞社)  ただいたずらに協議を長引かせる訳ではないと。大体めどとしては、どれぐらいというのはありますか。
○知事  旧年度内を目標にとこれまで言ってきたと思いますので、相手があることとは言え、さほど遠くない時期に締結できるよう努力しなければならないと思っております。
○記者(毎日新聞社)  原発の再稼働問題ですけれども、知事は、電力の安定供給の観点からやむなしという立場だったと思うんですが、大飯原発の京都とか滋賀とか大阪まで反対をしている今の状況の中で、何か考えに変更はありますでしょうか。
○知事  一連のこの間の経過を考えてみます時に、手順が非常にわかりにくいですね。例えば、ストレステストというのが突然出てきたり、あるいは再稼働に向けてまた別の基準が議論されたりということで、基本的に安全性については、今回の東日本大震災の教訓を十分踏まえながら、しっかりとした対策を国の責任のもとで確保していただく必要があるものと、こう思っているところであります。その前提としては、幅広い国民の皆様方の理解が非常に大切になってくるものと思っておりまして、そういう意味で、どういう手順で再稼働に向けて進めていこうとしているのか、ここまで手順を踏んで、こういう要件をクリアして、国の方では安全と判断しているんだというようなことをしっかりと整理して説明をしていただき、そして、(国民の皆様方に)納得をしていただく必要があるんだろうと思っております。
 大飯原発は、一地域だけの問題ではないのではないかと思いますので、これから順次、再稼働に向けた検討が行われるのではないかと思います。そういった手順、基準というものをしっかりともう一度整理をしていただいて、わかりやすく説明をしていただく必要があるのではないかと思っております。

10.離島地域の活性化について

○記者(長崎新聞社)  国境離島の新法のことでお伺いしたいんですが、先ほどお話を伺っていると、離島振興法に漏れる部分をすくっていきたいという意図なんでしょうか。

○知事  漏れる部分ではなくて、通常の離島振興法よりも強化していただきたい部分、国境離島ならではの課題に対処していくための施策の強化になる部分をしっかりと国境離島新法といったような形で検討していただく必要があるのではなかろうかと。

○記者(長崎新聞社)  県としては、離島振興法にこういうものをして欲しいというのを提言されていますよね。あれに入らなかった部分をというわけじゃないんですか。さらに、提案以上のものを求めていくということですか。

○知事  基本的な枠組は、これまで提案をさせていただいた分ですが、それを全部、離島振興法の中に盛り込むのはなかなか難しいというような情報も聞いておりまして、そうであれば、国境離島という法整備の中で拾っていただきたい。これまで我々が要請してきた項目等についてもですね。

○記者(長崎新聞社)  他県に賛同してもらえなかったという部分が、そういったところに入っているということでしょうか。

○知事  そうです。

○記者(長崎新聞社)  じゃ、こちらからまた改めて具体的に、もう離島振興法が決まった後に提言といいますか、求めるものは固まるということですか。

○知事  他の離島関係、公共団体の皆様方ともしっかり連携を深めながら一緒になって取り組んでいく必要があるものと思いますので、その中にこれまで申し上げてきた事項、あるいはまだ足りない部分があるとすれば、そういった部分までしっかりと盛り込んでいただけるように努力していかなければならないと思います。

○広報課長  それでは、時間もまいりましたので、以上で知事の定例会見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○知事  どうもありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。

 

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