都市計画区域と準都市計画区域

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 さて、その都市計画ですが、まず最初に都市計画区域もしくは準都市計画区域を定めることから出発します。これらの区域は都市計画を策定する場でありますが、この都市計画区域と準都市計画区域とは、考え方に大きな違いがあります。
 その違いはどのようなものなのでしょうか。

 都市計画区域は都市計画法の第5条に、
「都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件(※1)に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件ならびに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。」と記してあります。

 

(※1)政令第2条

1.当該町村の人口が1万人以上であり、かつ、商工業その他の都市的業態に従事する者の数が全就業者数の50%以上であること。

2.当該町村の発展の動向、人口及び産業の将来の見通し等からみて、おおむね10年以内に前号に該当することとなると認められること。

3.当該町村の中心の市街地を形成している区域内の人口が3千人以上であること。

4.温泉その他の観光資源があることにより、多数人が集中するため、特に、良好な都市環境の形成を図る必要があること。

5.火災、震災その他の災害により当該町村の市街地を形成している区域内の相当数の建築物が滅失した場合において、当該町村の市街地の健全な復興を図る必要があること。

 

 これに対し、準都市計画区域は、都市計画法第5条の2に、
「都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。」と記してあります。

 つまり、都市計画区域は、一定規模以上の市街地を既に形成しているかその見込みがあり、次項で述べる土地利用、都市施設、市街地開発事業などを有機的に組み合わせて都市計画を行い、一体の都市としての計画的な発展を目標としている区域であるということができます。一方準都市計画区域とは、積極的な整備や開発を行う必要はないものの、土地利用の規制を行わなかったら何らかの支障をきたす恐れがある場合に、土地利用の整序のみを行う目的で定める区域であるということができます。

  長崎県で都市計画区域を指定している市や町は現在13市7町で、面積にして県土の26%、人口では全県人口の79%が都市計画区域の中に住んでいることになります。
 一方、準都市計画区域は平成12年の都市計画法の改正により新たに創設された区域であり、いまのところ県下において区域が指定された事例はありません(平成27年度末現在)。

 ここで注意しないといけないことは、都市計画区域や準都市計画区域は都市の開発区域として定めるのではないということです。よく誤解されて、都市計画区域を定めるとその区域内には道路整備や宅地開発のような事業がどんどん進められて、農林業などは続けられなくなるのではないかと心配される方がいるわけですが、そのようなことはありません。
  都市計画法の第2条に基本理念というのがありますが、それには「・・・農林漁業との健全な調和を図りつつ・・・」と明確にうたってありますし、都市計画区域は同法第5条に「・・・一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域」、準都市計画区域は同法第5条の2に「将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域」と定義されています。

 つまり、整備や開発だけでなく保全すべきところも都市計画区域や準都市計画区域として定めるわけです。都市化を適正に誘導することによって農地や森林などを守ることも、都市計画の役割のひとつだということです。  

 

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