竹ン芸は、長崎市伊良林の若宮稲荷神社で、毎年10月14日と15日に行われている芸能である。同社境内に高さ10m余りの竹を2本立て、 白装束に狐(きつね)面をつけた若者二人がその竹に登り、笛と締太鼓(しめだいこ)、三味線の伴奏にのせて、曲芸的な演技を披露する。なお脇に5mほどの高さの竹が1本立てられていて、子ども二人が白装束に狐の面を付け、若者の演技に先立って、簡単に構成された演技を披露している。
竹ン芸は、19世紀前半から同市諏訪神社の長崎くんちに奉納されたものとされ、明治29(1896)年から若宮稲荷神社で公開され
るようになった。江戸時代に中国の踊りから学んだとも伝えるが、室町時代から近世初頭に流行した「 蜘蛛舞(くもまい)」という曲芸との関連もうかがわせ、また演じ手を狐と位置づけることなど、「芸能の変遷過程」や「地域的特色」を示し重要である。
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