芦辺町八幡半島の東南端にある長者原崎に露出し、層理のよく発達した珪藻土質の地層であり、古くから植物の葉や魚の化石を多産することで名高い。含化石層は、長者原崎をはさんで東西に分かれ、100~200mの延長をもって露出する。地層の走向はほぼ東西に分れ、南へ10~14°傾斜する。西側の屏風岩の地層が指定されている。本層の化石の研究は古くから断片的に行われているが、アメリカの魚類学者ジョルダンによって、大正8(1919)年に、魚類化石の新属・新種として、イキウス・ニッポニクスが記載されている。旧石田町の林徳衛氏が、植物化石(葉化石)40科67属83種、昆虫化石7科10種、魚類化石4目6科12~16種、蛇化石1種を報告した。魚類の大部分はコイ科に属し、魚類相は中国大陸のものに近い。本層は、新生代第三紀中新世中期を示す。珪藻土層中にある淡水性化石産出地として価値がある。
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