この法華経は、巻子本(かんすほん)で8巻、表紙に宝相華唐草文(ほうぞうげからくさもん)を、見返し絵に説法図と経意絵を金銀泥で描いている。本文は銀界を引き、金泥で書写された装飾経で、極めて華麗な字体で書写されている。奥書には永禄10(1567)年、平戸松浦家25代隆信(たかのぶ)・26代鎮信(しげのぶ)が菩提寺普門寺(ふもんじ)の末寺であった佐々の正興寺に寄進したことが書かれている。書写の年代は詳かでないが、藤原時代末から鎌倉時代初期のものと思われる。 大きな地図で見る