日清貿易絵巻は、日蘭貿易絵巻と対幅をなすもので、これも平戸松浦家34代清(きよし)が長崎で購入したものである。筆者は落款がなく不詳であるが、唐人屋敷内の模様を詳細に写しているので、これも唐人屋敷に出入りを許されていた長崎の御用絵師の手になったものであろう。製作年次は日蘭貿易絵巻が作られた時代とほぼ同時代の18世紀末~19世紀初めの唐人屋敷を描いた三巻本であり、唐人屋敷研究上貴重な資料である。 大きな地図で見る