弁天島は福島町里免の海岸から約300~400m沖合にある南北約80m、最も幅の広い所で約30m、高さ5~6mの小島で、島の東側に弁天をまつる石のほこらと木の鳥居がある。また、里海岸と弁天島との間には、黒瀬という岩脈があり、干潮時に南北約60m、東西30mばかりが海面上に露出する。岩脈は黒い玄武岩で、弁天島と黒瀬に分布する佐世保層群の地層に貫入したもので、東西に横切っている。この岩脈は、弁天島では、西側の部分で延長約9m、幅約5m、東側で延長約10mが露出し、中央部の高まりでは土壌に被覆されて見えない。また、黒瀬では、幅75cmのものが、延長30mにわたって、両側の砂岩の露出よりも突出している。弁天島と黒瀬の岩脈は、共に一連のものであろう。地質学的に珍しい露出した岩脈として価値がある。
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