青い理髪店(旧小林理髪館)は、島原街道から西に折れる道路に北面し、上の町北端に建っている。理髪店開業は昭和25(1950)年で、1980年代に閉業後もしばらく住居として使用された。
建物の意匠的特徴などから大正後期頃(遅くとも昭和初期まで)の建築で、間口3間(5.9m)、奥行き4.5間(8.9m)、寄棟造、桟瓦葺の木造、下見板張、の総2階建の木造洋館である。全体的な造りとしては1、2階とも、建物前方部2.5間(4.9m)を洋風の造りとし、後方部2間(3.9m)は和風の造りとする、和洋折衷の前後並列型となっている。
この点は室内外の意匠でも一貫しており、前方部の壁面は外胃壁を下見板張りペンキ塗り、内壁を漆喰塗りの大壁造りとし、窓はすべて上げ下げのガラス戸とするのに対して、後方部は外壁こそ下見板張りとするが、内部は土壁の真壁造りで、窓、間仕切りなどもすべて引き違いのガラス戸やフスマ戸とするなど、徹底している。
また、花頭窓風のアーチとキーストーンをあしらった玄関上部のペディメント風意匠は特異で、3連の作りつけ鏡面台など理髪室内部の保存状況もよく、全般的に当初の形態をよく温存している。
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