岩戸山は凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)からなる海抜100m余の小山である。その地形は、崩積土からなる山麓の傾斜地と母岩がほとんど露出した山頂の岩角地とからなる。山麓の傾斜地には、タブノキやスダジイを主木とする照葉樹林がある。その樹高は12~17m、高木の幹径は70cmに達する。
山頂の岩角地にはクロマツが広く生育しているが、イワシデ・イワガサ・マツバウツギ・キハギが岩角地特有の群落を形成する。イスノキ・ショウベンノキ・オガタマノキ・ヤマモモ・ヤブツバキなどの照葉樹を混じえ、林下にはアオノクマタケラン・ノシラン・ヤブラン・フウトウカズラ・オオイワヒトデなどの常緑草木が密生する。ほかにハカマカズラ・ノグルミもここに分布している。
この林相は、島原半島南部の低地の照葉樹林の原形をよく残しており価値が高い。
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