御馬見所は、幕末の藩主松平忠和の時代に藩士の訓練状況を見るために建てられた。
現在は島原城天守閣の東北方向のほど近いところに建つが、もともとは三の丸にあった。この建物があった付近は今でも調練所と呼ばれている。明治維新後に口之津町の南氏が移築し保存していたが、昭和41(1966)年に再び城内に移築して保存されている。
木造平屋建、切妻造、杉皮葺、規模は桁行22尺65、梁間11尺30の小規模な建物である。
平面は、中央3尺25幅の畳廊下を挟んで四畳半2室が左右に並び、四畳半の背面に地袋・棚を設ける。前面(西面)と左右両側の3方を大きな開口部として明障子を建てる。柱は2寸5分角、天井高は6尺余、全般に木柄が細く数奇屋風の建物である。
建築年代は江戸時代末期で、島原城の数少ない遺構の一つとして貴重な存在である。
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