大宮姫神社は、中世末期に松浦氏が相浦谷地区を開拓した際に創立されたと伝えられる古社で、当初はもう少し相浦川に近い位置に鎮座していたと推定されている。
本殿の建設年代は、本殿内に残存する「上棟」棟札や装飾の細部様式から延宝7(1679)年と見られ、県下で現存する最古の神社本殿である。
本殿の建物は、切石によって一段高く築かれた基壇の上に建つ。社殿形式は間口3間×奥行き3間の母屋平面の前面に3間幅の向拝を設け、母屋の平入り切妻屋根をそのまま葺き下ろしにした典型的な三間社流造である。
大宮姫神社本殿は現存する最古級の木造神社本殿建築であるという歴史的な貴重性を持つとともに、17世紀における県下では他に類例のない神社本殿の意匠を示すなど、文化財としての価値が非常に高い建造物である。
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