海岸砂丘上にある下方共同墓地内に4基のキリシタン墓碑があり、うち1基が県指定となっている。基壇と半円柱形柱状伏碑の一石彫成墓碑で無紋無銘の樽型キリシタン墓碑である。
4世紀のローマ帝国にキリスト教が広まるにつれ、一部にブドウ酒樽に遺体を納めて埋葬する習慣が見られ、後に墓碑にその型式が用いられた。ポルトガルや北アフリカに現存する樽型墓碑は長手平石にブドウ酒樽を横たえた形の一本石から成り、酒樽の締め輪の形も刻まれている。
わが国にも16~17世紀にこの型式が伝わり、ヨーロッパの樽型墓碑と型式を同じくする数少ない墓碑の1つで貴重である。
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