西彼杵半島は、主として堆積岩起原の変成岩で構成され、大部分は石墨(せきぼく)に富む黒色片岩であるが、一部に石墨を含まない石英片岩もあり、一括して西彼杵変成岩類とよばれている。これには所により、連続性のよい薄い緑色片岩や蛇紋岩などの緑色岩を伴う。長崎市三重海岸に露出する緑色岩には、陽(よう)起(き)石(せき)、緑(りょく)廉(れん)石(せき)、 緑(りょく)泥(でい)石(せき)、曹(そう)長(ちょう)石(せき)などの変成鉱物と共に、ヒスイ輝石が含まれている。ヒスイの存在は、九州大学理学部地質学教室西山忠男氏によって初めて確認され、正式には昭和53年(1978)3月に地質学雑誌で発表された。ヒスイは世界的に産出が稀な鉱物であり、多くの宝石ヒスイの原産地はミャンマーである。日本の産出では新潟県糸魚川市小滝が有名である。最大のものは長崎市科学館に保管されている。
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