平成16年度長崎県予算編成方針
 
T 予算編成の背景
 
 1 平成16年度の国の予算の動向
 平成16年度予算について、政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(以下「基本方針2003」)を踏まえ、一般会計歳出及び一般歳出について実質的に平成15年度の水準以下に抑制することを目標に、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と予算配分の重点化・効率化を実施することとしている。
 この基本的な考え方を踏まえ、概算要求では、
(1)公共投資関係費は、前年度当初予算の△3%の範囲内に抑制
(2)義務的経費は人件費等の特殊要因を除き前年度と同額の範囲内
(3)裁量的経費は、前年度当初予算の△2%(科学技術振興費は前年同額)を上限等を基準として総額を抑制するとともに、重点化・効率化にあたっては、
 ・民間のイニシアティブを引き出し、民間需要の誘発効果の顕著なものに特に重点を置くこと
 ・「活力ある社会・経済の実現に向けた重点4分野」への施策・事業の集中等を図ることとされている。
 
※重点4分野
@人間力の向上・発揮 − 教育・文化、科学技術、IT
A個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方
B公平で安心な高齢化社会・少子化対策
C循環型社会の構築・地球環境問題への対応
 
 また、基本方針2003では、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方について、「三位一体の改革」を推進することとし、
・18年度までに4兆円程度を目途に国庫補助負担金を廃止、縮減
・国庫補助負担金削減分の8割程度を目安に税源移譲。義務的な事業は徹底的な効率化を図った上でその所要額の全額を移譲
・地方財政計画の歳出を徹底的に見直し、交付税総額を抑制
などの基本的な方針が示されている。
 その具体的内容は、16年度予算の中での検討に委ねられており、その内容によって、本県の財政運営は大きな影響を受けるため、検討の動向に十分留意しつつ適切に対応する必要がある
 
 
 2 本県の財政状況と平成16年度収支見通し 
 本県財政は、県税などの自主財源に乏しく、歳入の5割以上を地方交付税や国庫支出金に依存しているが、長引く景気の低迷や国の財政構造改革によって、これらの収入がいずれも減少している。
 さらに、県債の残高はこの10年間で2倍以上に増嵩し平成15年度末には1兆円を超える見込みであり、これに伴って、歳出においては、公債費などの義務的経費の割合が年々高まり、各種施策に柔軟に対応することが困難な厳しい財政状況が続いている。
 このため、平成15年度当初予算においては、地方財政対策によって設けられた特例的な起債措置をしてもなお不足した306億円を基金取崩しにより対応したところであるが、先に策定した中期財政見通しでは、16年度も、今年度を上回る323億円の財源不足が見込まれ、さらに、その後も多額の財源不足が続き、20年度には財政調整に使用可能な基金が枯渇し財源不足を補てんできなくなるという、厳しい見通しとなっている。
 また、三位一体の改革により国・地方を通じた歳出改革が進められることとなっており、その影響は現時点では算定できないが、本県の財源不足額はさらに拡大することも予想される。
 
 
〔参考〕平成14年度決算見込み【普通会計ベース】
 @ 歳入のうち地方税の構成比
   ・本 県  13.7% (全国平均 23.2%   41位)
 A 県民1人あたり県税
   ・本 県 72,516円(全国平均122,536円 46位)
 B 歳出のうち義務的経費の構成比
   ・本 県  47.4% (全国平均 46.5%   19位)
 C 平成14年度末県債残高
   ・9,950億円
 D 起債制限比率
   ・本 県  13.7%  (全国平均 12.6%  13位)
      ※全国平均は速報値であり単純平均により算出
 
 
U 平成16年度予算の編成指針
 このような厳しい状況の中で、県民一人ひとりが豊かさとゆとりを実感できる県政を推進していくため、先に策定した「平成16年度行財政基本指針」(以下「基本指針」)に基づき編成するので、予算要求に当たって十分留意願いたい。
            
 1 平成16年度における予算編成の基本的姿勢 
 長期総合計画に掲げる基本理念「豊かな地域力を活かし、自立・共生する長崎県づくり」の実現に向けて、
(1) 地域社会に新しい価値を創造する長崎県づくり 
(2) 共に生き、共に育む社会を実現する長崎県づくり
(3) 創造的な産業活動を育む、活力ある長崎県づくり
(4) 21世紀に生きる力と郷土を担う人材を育む長崎県づくり
(5) 環境と共生する潤いある長崎県づくり
を予算編成の柱として、質の高い豊かさを実感できる県民生活の実現と、活力ある県土づくりに取り組む。
 
  施策の展開にあたっては、ハード事業からソフト事業への転換を基本に、
 ・県民生活に密接に関わる事業
 ・県内産業の生産性の向上に直接結びつく事業
 ・県民所得の向上につながる事業
 に一層の重点化を図ることとし、特に基本指針に掲げた次の施策に対して、重点的に財源を配分する。
(平成16年度の重点施策)
1.元気のある企業と新たな雇用機会の創出
2.自立した地域づくり・個性と魅力あるまちづくり
3.長崎ブランドの確立による農林水産業の振興
4.健康で生きがいのある生活の実現
5.次代を担う人材の育成               
6.良好な環境の保全・創出
7.地域資源を活かした文化芸術の振興
8.新しい時代にあった協働システムの構築
 
 
 2 長崎県行政システム改革大綱に基づく行財政改革の実践 
行政システム改革の実施にあたっては、県民満足度の向上を第一の目的として、一層の成果重視と限られた予算や人員の効率的な活用、さらには民間や国・市町村との適切
な役割分担と連携が不可欠であり、行政システム改革の基本理念である「県民の視点に立った成果・協働重視の新たな行政システムづくり」のために、各部局において、以下の項目に従った事務事業の徹底した見直しと重点化を図られたい。
(1) 既存事業の見直し
@ 既存事業については、政策評価の結果などに基づき、必要性、事業効果等についてゼロベースから厳しく見直し、既にその役割を終えたと思われる事業については廃止するとともに、時限的事業で平成15年度で期限の到来した事業については、終了すること。
A 新たな事業は、原則として既存事業の見直しの範囲内で行うこと。
B 別途策定する「県と民間・市町村との役割分担(公的関与の判断基準)」に基づき、県が関与する必要性を検証すること。
  なお、新規事業についても、同様に検証を行うこと。
(2) 国及び市町村事業との調整
@ 国庫補助事業と類似の事業については、補助事業の活用を図り、事業対象、補助率等について再検討すること。
A 県と市町村の適切な役割分担のもと、市町村の自主性と自立性を尊重し、本来市町村で行うべき事業、市町村で実施した方が効果が上がると思われる事業等については、市町村事業とすること。
(3) 県単独補助事業の見直し
県単独補助金・交付金については、県の財政関与の必要性、支援方法の妥当性等について検討するとともに、補助効果が最大限発揮されるよう施策の重点化や時代の変化に対応した見直しを行い、全体としてはスクラップ・アンド・ビルドの徹底により総件数の5%程度を見直すとともに、次の基準により積極的に見直しを図ること。
@ 奨励的な目的が薄れたもの、補助効果が乏しいものなど存続する意義が失われたものは廃止・縮小すること。
A 事務手続きを簡素化し、補助事業者の自主性を尊重する観点から、同一目的あるいは類似の補助金は統合メニュー化すること。
B 国庫補助の継足補助金については、県の財政関与の必要性、支援方法の妥当性等を十分検討し、より生産性や所得の向上などに直接つながる事業に重点化すること。
C 各種団体への運営費補助については、団体の自立に向けての意識改革を促し、漸減方式の導入を検討すること。
D 原則として、1件50万円未満の零細補助金については、廃止を含め見直しを行うこと。  
(4) 貸付金の見直し
貸付金の予算額については、貸付実績に見合うものとし、県の財政的関与の必要性、貸付効果、金融機関との融資比率等について検討するとともに、金融情勢や経済情勢等
の変化に対応しながら、全体としては、徹底したスクラップ・アンド・ビルドにより総件数の5%程度を見直すこと。
(5) 外部委託の推進
各種調査事業等の企画・立案など、県本来の機能と考えられる部門は強化する一方で、「民間でできる分野は民間に委ねる」ことを基本として、「業務見直し指針」及び「業務見直し実施計画」に基づき、定型的な業務など簡素で効率的な行政運営を実現するために必要なものは外部への委託を一層推進すること。
(6) 県有施設の管理運営の適正化
県有施設については、利用方法の改善によって良質なサービスの提供に努めるとともに、その管理運営方法については、直営と外部委託の場合における効率性、費用対効果、サービス水準等を総合的に比較し、外部への委託を検討すること。
また、目的に応じた効用が発揮されているかどうかを評価し、県有施設としての存続又は移管を含めた在り方を検討すること。
各種設備の保守管理委託について、契約のあり方、委託料の見直しを行うこと。
(7) 施設整備
施設の整備(新設、増設、改築等)については、県民サービスの向上及び安全性の確保等の見地から、緊急性の高いものから採択することとするが、その規模、内容等は将来の財政負担も十分考慮し、適切なものとすること。
(8) 組織改正・人員配置
長期総合計画の推進等に伴う組織の改廃、人員配置の変更等については、組織所管課と十分協議してその了解を得ること。
(9) 使用料・手数料の適正化
受益者負担の原則に立ち、別途通知する改定方針に従って適切な改定を実施すること。
(10) 県出資団体等に対する県の関わりの在り方について
県出資団体等に対する出資、補助、貸付又は事業の委託等については、当該団体の業務内容及び経営状況等を十分勘案し、公共性や公益性の観点から、その必要性を精査した上で最小限のものに限定すること。また、累積欠損金を抱えるなど経営上問題点を有する団体については、抜本的な対策の検討を行うこと。
 
 3 政策評価の有効活用 
政策選択のための重要な手段として政策評価制度をさらに有効に活用し、県民に対する行政の説明責任の徹底と県民の視点に立った成果重視の行政への転換を図り、県民本位の効率的で質の高い行政を推進することとし、その結果に基づいて、施策や事業の改善・見直しを行い予算に反映させること。
 
V 予算要求枠の設定
平成16年度予算要求額は年間所要額とし、先に「平成16年度予算要求ガイドラインについて」で示したとおり、次の予算要求枠を設ける。
なお、地方債その他の特定財源の充当は「W その他の留意事項」を参考に通常ルールの範囲内とすること。 
 
 1 公共事業費(継足補助含む) 
15年度国内示額の95%以内。ただし、港湾、漁港、農業農村整備事業は90%以内。(県負担額かつ一般財源ベース)
※国予算の政府原案の確定を待って、それぞれ、(国伸び率−2)%、(国伸び率−7)%と上記の率を比較して、いずれか低い方に調整を行うこととする。
 
2 枠内経費 
各部局ごとに次の金額の範囲内とする。
(1) 普通建設単独事業 …… 15年度当初予算額の80%以内
              (県負担額かつ一般財源ベース)
(2) 単独維持補修事業   
(3) 非常勤嘱託等報酬            
(4) 固定的経費        15年度当初予算額の範囲内(一般財源ベース)
(5) その他経費      
 
(注)枠内経費の縮減額(普通建設単独事業の義務的見直し分を除く)をもって、次に掲げる「重点施策推進プログラム枠」を設定することとしているので、各部局において積極的に縮減に取り組まれたい。
 
 3 重点施策推進プログラム枠 
  基本指針に基づき作成する「重点施策推進プログラム」を構成する事業について、各部局ごとに次の金額、件数を上限として要求枠を設定する。(金額は一般財源ベース)
@縮減額×(縮減率×2.5)
   (「縮減率×2.5」が100%を超える場合は100%とする。)
A一次評価(「終了」含む)による縮減額として別途整理する金額については、その 100%。
Bこのほか、縮減率が15%以上20%未満の場合3件、20%以上25%未満の場合4件、25%以上の場合5件まで。
 
  ※縮減額の県計の範囲内において予算計上を行う。
 
  ・縮減額:枠内経費の縮減額。ただし、普通建設単独事業の義務的見直し分を除く。
また、枠外経費のうち制度等の見直しによって縮減した額は加算する。
  ・縮減率:上記縮減額を、枠内経費の「その他経費」の合計で除した割合(%)
 
 4 特別要求枠 
雇用の場の維持・拡大、県内産業の生産性の向上に直接結びつくソフト事業などを対象として、特別枠を設定する。
 
※要求できる事業費は、政策検討会議の議論を経て別途整理する。
ただし、縮減率が15%以上の部局に限り要求できるものとする。
※1及び2(1)による一般財源削減額(県計)の1/2以内において予算計上を行う。ただし、継足補助制度の見直しなどによって追加して削減を行った場合は調整の上加算する。
 
 5 その他の重要事業枠 
3、4に該当しない大型事業で、枠内での対応が真に困難と認められるものについて、3Bの件数枠を使った要求を別枠で認める。
 
 6 除外経費 
  財政課との協議により、次に掲げる経費として整理したものについては、以上の予算要求枠の対象外とする。
(1) 職員給与費、退職手当、恩給費、執行機関等委員報酬
(2) 公債費
(3) 扶助費(国庫補助事業のみ)
(4) 不動産投資償還金
(5) 県税関係清(精)算金、交付金、還付金
(6) 過年度貸付分利子補給     
(7) 普通建設補助事業、災害復旧費、国直轄事業負担金
  (ただし、公共事業は1に示したとおり)
(8) 準義務的経費
(9) 特別会計繰出金
(10) 特定施設整備経費、特定施策経費
(11) 特定管理経費
 
 
(注)要求にあたっては、次の事項に留意すること。
@新規事業の要求件数は、4により増加する場合を除いて、原則として、廃止終了事業件数の範囲内とする。
A3,4については継続事業を含むこと。ただし、何らかの見直しを行ったものに限る。
B各部局間の連携を図り、事業目的、実施方法等の整合性を図るとともに、各部局間の横断的な政策展開を目指して、連携事業の積極的実施に努めること。
C市町村等に新たな財政負担を生じるなど、他の団体と調整を要する事業については、事前に十分検討してその実施に支障のないよう努めること。
D独立する事業を組み合わせて1件の事業とすることは認めないこと。
E新規事業に係る終期については、長期総合計画などに掲げる目標を十分考慮し設定すること。 
 
W その他の留意事項
 
 1 国庫補助(負担)事業の取扱い 
国の予算の動向に十分に留意し、補助対象事業の範囲、補助率等を確認するとともに、特に次の点に留意すること。
(1) 超過負担のある事業については、国に対し強くその是正を求めること。
 また、国は地方への関与の縮減を進めることとしているが、それによって新たな超過負担が生じることのないよう補助制度の改正の動きに十分留意すること。
(2) 国において既存の国庫補助(負担)事業が廃止・縮小された場合には、国庫補助(負担)金に替わる地方財政措置が明らかなものを除いて、県事業も廃止・縮小すること。
 特に継続する必要があるものは、その必要性等を十分検討したうえで対処すること。
(3) いわゆる「交付金事業」の国庫支出金に対する一般財源の比率は、原則として平成15年度当初予算の比率以内とすること。
 
 2 県債の取扱い 
県債の充当率は、基本的に平成15年度と同様にすること。
なお、地方財政対策の決定状況により、充当率が変更されることもあるので、関係課においては、財政課からの今後の通知に十分留意すること。
 
 3 職員給与費その他 
(1) 職員給与費については、財政課において別途積算し指示するので、予算要求は不用であること。
 
(2)次に掲げる各種事業については、それぞれ関係課と調整を図った上で要求すること。
  (事業項目)                (関係課)
  ・各種調査事業              政策企画課
  ・ITを利用した広報事業          広報広聴課
  ・新規システム開発事業          情報政策課
  ・国際交流事業              国際課
  ・長崎県観光活性化行動計画に基づく事業  観光課
 
(3) 自動車(自動二輪車を含む)の購入については、別途通知した要領による一括査定とすること。
(4) 会議等連絡費については、各所属において予算要求は不要であること。
 
 4 予算要求状況の公表
長崎県行政システム改革大綱に基づき、平成16年度当初予算要求状況について公表を行うこととしているので留意願いたいこと。
 
 
 
 
( 以 上 )